別に男が好きだとかね、女になりたい、とかそんなんじゃないの。

“自分って一体何者なんだろう”

そう考えて考えて考え抜いて、出た答えが、これだったの。

















私は綺麗なものが好き。
だったら自分も綺麗になりたいでしょう?

私は可愛いものが好き。
だったら自分も可愛いものを身に着けたいでしょう?



そりゃあ迷いもしたわ、当然。
パパやママは泣くんじゃないかしらとか
友達は今までどおりに接してくれるかしらとか
つきあってたあの子はどうなるのかしらとか。







だけど私はこの道を選んだ。








ふわふわのシフォンスカートを履きたいの。
ピンクの口紅だってひきたいの。
ネイルだってお花や蝶々やハートなんかでデコレーションしてみたいし
華奢なミュールやきらきらのパンプスにも憧れを持つ。


一人、誰もいない部屋でおめかしすることはできる。
現にそうやってた時期もある。
毎日早く家に帰りたくて仕方なかったのをいまも覚えてるわ。
でもね、そうしているうちに気づいたの。
部屋で着飾ってる私が本当の私で、外で窮屈な学ランを着て笑っているのは、
私と同じ名前のプレートを下げただけの、全くの別人だということに。








それは、パパにもママにも友達にもあの子にも


それから自分にも


嘘をついていることになるでしょう?
嘘の私を見せていることになるでしょう?
















本当の私に「おはよう」と言って。
本当の私とお喋りをして。
本当の私に笑いかけて。

本当の私を、見て。






そう思ったら、あとはまっしぐらよね。

学ランをごみ箱につっこんで、お店に電話して女の子用の制服を注文して――












「佐藤ー、後輩捕まえて何してんの? そうそう、先生が呼んでたけど。」
「……っるさいわね! それから佐藤って呼ばないでって言ってるでしょう!?」
「だってお前佐藤じゃん」
「お黙んなさい。次にその名前で呼んだらタマ蹴るわよ」
「とりあえず早く行けよー佐藤」
「緋瑪留って呼びなさいってば!もしくはヒメ!
 ……ちょっと、人の話は最後まで聞きなさいよっ!」














――ああ、ごめんなさい。

話の続きに戻りましょうか。




後悔?

してないわ。

だって私は今、すごく幸せなんだから。





……あんたもひきつり笑いなんてしてないで、幸せ探しでもしなさいよね。

















 TRPG用のキャラとして考えてる人。

 3年、佐藤緋瑪留(ヒメル)、男。

 オネエというかオカマというか、な方です。













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